丹後ちりめんとは

丹後ちりめんとは

丹後ちりめんとは
独特の「シボ」と呼ばれる表面のシワが美しい

 経糸(たていと)に撚りのない生糸、緯糸(よこいと)には1メートルあたり3,000回前後の強い撚りをかけた生糸を交互に織り込むことによって糸が収縮し、細かい凸凹状の「シボ」ができる「丹後ちりめん」。
シワになりにくく、しなやかな風合いに優れ、色合いが豊かな、深みのある色を醸し出すその技法は、シルクだけでなく、ポリエステル、レーヨンなどの素材にも応用されています。

丹後ちりめんの種類

  • 変り無地ちりめん

     縮みの欠点を、特殊な撚糸を工夫して織り上げてカバーしたちりめん。縮みにくくシワになりにくいのが特徴です。

  • 一越ちりめんひとこし

     古い歴史を持つちりめんで、シボが美しく、柔らかい風合いが楽しめます。

  • 縫取ちりめん

     ちりめんの生地に金糸・銀糸・ウルシ糸・ラメ糸などの装飾糸を使って模様を縫い取った贅沢なちりめん。打掛や中振袖・訪問着などを中心に豪華さを演出します。

  • 駒綸子ちりめんこまりんず

     シャリッとした独自の風合いと光沢が特徴。地紋を生かした染め着物の生地としてファンに好まれています。

  • 五枚朱子ちりめんごまいしゅす

     生地面の光沢が美しいちりめんで、華麗な中振袖や付下げなどに使われます。

  • 古代ちりめん

     左撚り2本、右撚り2本を交互に織り込むため、一越ちりめんよりシボが高いのが特徴です。古代の白生地に似ていることからこの名前が付けられ、シボが大きいことから鬼シボちりめんともいいます。色無地などに使用されます。

  • 紋綸子ちりめんもんりんず

     綾織りの表と裏を使って紋を出したもので、重目は付下げ・訪問着など高級着に、軽目は襦袢地に使用されます。

  • 紋意匠ちりめんもんいしょう

     よこ糸を二重にして地紋の変化と深みを出したちりめん。染め上がりに豊かな立体感があり、無地染めやぼかし染めに多く用いられています。

  • 朱子意匠ちりめん

     紋意匠と五枚朱子の両方の持ち味を兼ね備えたちりめんです。地風に厚みがあり、染め付きの良さが特徴です。

  • 絽・紗ちりめんろ・しゃ

     生糸100%で作られる、シースルー地の夏向きの織物です。通気性に優れているため、夏でも心地よく着ることができます。

  • 金通しちりめん

     ちりめん地に金糸を織り込んだものです。染色性に優れたちりめんは、あらゆる色に染め上げられますが、金糸は染まらずそのままとして光沢を放ち、趣味性の豊かなきもの地として用いられています。銀糸を使った銀通しちりめんもあります。

服地

ポリエステルPOLYESTER

 エレガンスなドレープ性と速乾性を兼ね備えたポリエステルちりめん。シワになりにくく、簡単に洗濯でき、乾きが速いため、旅装などにも重宝されます。ちりめんという素材は、和装感覚をもつ年配方にはなじみが深く、若い方にはソフトな風合いが新鮮な共感を呼んでいます。

シルクSILK

 天然繊維の王様であり、古来から至極の存在であったシルク。軽くて、しなやかで、ドレープ性に富み、保温性・通気性のある優れた素材です。和装で培われた伝統と技法を生かし、感覚を磨き、新たに取り組まれた現代のシルク織物。丹後の伝統的な技術「撚り」から生まれる古代の香りを今日的にアレンジし、新しい生命を得ています。

複合素材COMPOUND MATERIAL

 異素材との組合せによって、多面的な表情を見せる複合素材。それぞれの糸の持つ個性が響きあい、美しいハーモニーを奏でる。素材の組合せの妙と丹後の優れた織り技術によって、独自の風合いを実現した複合素材は、創り手と着る人の創造性と満足感を満たす先進の素材です。

丹後ちりめんができるまで

手間が驚くほどかかります。
熟練の技も欠かせません。
検査の目も、非常に厳しいです。
しかし、それをしなければ
「丹後ちりめん」はできません。

丹後ちりめんができるまで